0229 地質調査技士の合格体験記
令和6年度の地質調査技士資格試験に、3名が1発合格しました。簡単な試験ではないですが、試験勉強をすれば十分合格を狙えます。本記事では、今後受験される方の参考になるよう、合格までの道のりを振り返ります。
記事後半では、AI音楽作成サービスを用いた勉強法も説明しています。
■地質調査技士とは?
地質調査技士とは、地質調査の現場業務において、ボーリングや計測・試験などの技術や知識を有する技術者の資格であり、主に、以下の能力が求められます。
・積算
・調査計画
・ボーリングマシン運転の基本動作
・現場の工程管理や安全管理
・土質判定・柱状図、断面図作成
・報告書とりまとめ
・成果品の品質管理
・ボーリング調査の業務責任者としての役割
・ボーリング調査の業務責任者や現場管理者としての役割
・「ボーリング責任者」としての役割
また、上記の技能・能力のほかに、ボーリングマシン操作に係る特殊技能(現場調査部門)や解析・分析能力(現場技術・管理部門)が求められます。
■地質調査技士取得のメリットは何か?
改めて振り返ってみると、3つメリットがあると感じています。
◎メリット1. 高知県発注の地質関連委託業務の管理技術者を担うことができる!
高知県発注の地質調査関連委託業務において、管理技術者の要件の一つとして、技術士やRCCMの他、地質調査技士の資格が設定されている場合があります。この業務において、地質調査技士の資格を有していれば、管理技術者の役割を担うことができます。
◎メリット2. 資格手当がもらえる!
会社にもよると思いますが、資格手当がもらえることもメリットです。
◎メリット3. 地質調査全般の知識を獲得できる!
地質調査資格試験の受験を通し、地質調査全般の知識を学ぶことができます。受験合格という明確な目標値が無いと、なかなか勉強できないので、これもメリットの一つだと感じます。
■ 地質調査技士検定試験はどのような試験内容か?
地質調査技士検定試験は、現場調査部門と、現場技術・管理部門に分かれています。それぞれ、受験資格や、試験内容が異なります。この点に注意しながら、試験内容を整理します。
なお、正確な情報は、各年度の受験手引を参照ください。
◎受験資格
現場調査部門の受験要件は下記の通りです。
学歴によって、3~5年の実務経験が必要となります。
現場技術・管理部門の受験要件は下記の通りです。
学歴によって、3~8年の実務経験が必要となります。
◎試験概要
令和6年度は、受験申込期間が令和6年4月10日~5月10日、受験日が7月13日(土)でした。試験は、午前の部と午後の部に別れており、現場調査部門と、現場技術・管理部門で、午前の部の問題数や、午後の部の試験内容等が異なります。
◎試験内容
午前の部は、4つの選択肢から1つを選ぶ択一式試験です。現場調査部門は全80問、現場技術・管理部門は全100問です。
午後の部は、現場調査部門が簡易記述式と口頭試験であり、現場技術・管理部門は論述式試験です。
◎合格率
現場調査部門の平均合格率は40%弱、現場技術・管理部門の平均合格率は30%強です。
合格に必要な得点率の目安は、現場調査部門で60%台半ば以上、現場技術・管理部門で70%前後以上です。
■どのように勉強したか?
どのような勉強をしてきたかを振り返ります。
◎社内講習会
4月から2週間ごとに、2時間の社内受験対策講習会が開催されました。講師は、四国地質調査業協会の主催する「検定試験準備講習会」の講師も務める方です。
この講習会では、出題範囲ごとに過去問を解いていき、出題範囲ごとにポイント解説頂きました。この解説が秀逸で、大変役立ちました。
◎平日の夜の勉強会
試験日1ヶ月前から、平日の定時後に受験メンバーで会議室に集まり、社内勉強会の復習や、過去問を解いていきました。同じ目標を持つもの同士で勉強することができたため、モチベーション維持に大変役立ちました。
◎週末のカフェ
週末は、カフェに集まり、勉強に励みました。
◎検定試験準備講習会
試験の約1ヶ月前に、地質調査業協会の主催する「検定試験準備講習会」を開催されます。これを受験すれば1点の受講加点があります。社内勉強会でも、必ず参加するよう指示がありました。すぐに定員が埋まるので、案内があればすぐに申し込む必要があります。
◎AIで作成した音楽で、リズムに乗って倫理綱領を暗記
現場技術・管理部門の午後の部では、全地連の倫理綱領を記述する問題が出るため、暗記する必要があります。なかなか覚えるのに苦労するのですが、AI音楽作成サービスを用い、倫理綱領を歌詞とした音楽を作成し、リズムで覚えるというユニークな取組みを行いました。
倫理綱領は、
1.社会的な責任を果たすために
2.顧客の信頼に応えるために
3.業の地位向上を図るために
の3つからなり、それぞれに3つの小項目があります。3×3の9項目を覚える必要があります。
受験したメンバーの中に、音楽が得意な人がいたため、その人がSunoというサービスを用い、倫理綱領を歌詞とした音楽を作成しました。
受験直前は、現場に行く車内でこの曲をリピートで流し続け、口ずさみながら倫理綱領を覚えました。私はこの勉強方法が合っており、おかげで、午後の部はほぼ完璧に記述することができました。聞けば聞くほど、倫理綱領はめちゃくちゃいい歌詞(もとい、内容)です。
■振り返ってみて、何が良かったか
3名それぞれ振り返ります。
◎須佐美
勉強時間を記録していたので公開すると、4月からの2週間に1度の社内講習会と、約1ヶ月前から(=6月から)の本格的な勉強を合わせて約70hでした。これに加え、スキマ時間に倫理綱領の音楽を聞きました。
勉強コンテンツとしては、社内講習会の資料、過去問、そしてAI音楽が特に役立ちました!また、複数人で受験できたため、モチベーションを維持できました!
地質調査に関する幅広い知識を問われ、簡単な試験ではないですが、4択+記述(=ほぼ暗記)であり、受験対策すれば、決して合格を狙えない試験ではないと感じました。
◎谷﨑
運!
◎岡田
以上、地質調査技士合格までの道のりを振り返りました。
今後地質調査技士を受験される方の参考になれば幸いです!
■倫理綱領ミュージック番外編
始めて倫理綱領ミュージックを作成したときは、AI音楽作成サービスの制約上、長い曲が作れなかったため、3番の途中で切れていました。そのため、3番の途中までと3番のみの2曲に分かれていました。番外編として公開します。これもいいメロディーです。
↓1番から3番まで途中まで。ただし、3番に誤記あり。
↓試験直前に作ってくれた、3番に特化した曲。私が好きなヒップホップ調で作ってくれました。いくぞ綱領♪
(記:事業部 防災地質課 須佐美俊和)