0046 手押しポンプ井戸の改修 60周年事業第一弾! 

2015.06.30

カテゴリー: 活動報告

来年2016年は相愛設立60周年の年。早いもので、というか当時を知る者はもうほとんどおりませんが、相愛が創業を開始して早60年を迎えつつあります。

そんなアニバーサリーモードに突入しつつある弊社。

区切りの年を記念して、記念事業をいくつか検討中です。

 

今回ご紹介するのは、60周年記念事業第一弾・手押しポンプ井戸改修の取り組み。

50周年記念事業として、県内の災害避難指定場所50箇所に設置寄贈させていただいた手押しポンプ井戸・ホルゼ50の点検調査・改修を無償で行わせていただきます。

ホルゼ50手押しポンプ井戸

 

ホルゼ50で設置させていただいた手押しポンプ井戸は、2011年の東日本大震災の後、一度点検に周らせていただいたのですが、長いこと使用されていなかったり、いたずらされてたりで使えなくなった井戸がたくさんあることが判明していました。

 

一昨年当ブログで紹介した土佐市さんや、南国市さんからは弊社に補修の依頼をいただき再び水が出るように直してきたのですが、その他地域の補修の状況は掴みかねておりましたので、この機会に全箇所総点検させていただくことになりました。

取材同行した最終日・香南市の点検の模様を中心にご紹介致します。

集合は「非核平和都市宣言のまち」香南市役所。

包丁い~っぽんならぬ、バケツをい~っこ持って現地に向かう弊社・水資源担当・藤岡、同じく近藤、香南市防災対策課・黒岩さんの後ろ姿。

さあ今日はどんな井戸が待ち受けているのか。

まず最初に訪問したのが、野市小学校。校門の上におられるのが「エコちゃん」。

生徒さんたちで組織されている環境委員がデザインし、地元の石屋さんに頼んで1万円ポッキリで製作してもらったものだそうです。

楽しくエコを学習しようという学校の姿勢が伺えますね。

田中校長先生お立会のもと、運動場の井戸とご対面。

水ではなくて砂利が満タンです。

取っ手もありません。呼び水用のバケツも虚しく出番なし。

土をほじくり返すと、確かに50周年事業で設置させていただいた証明の相愛プレートが出てきました。

 

本日の1本目、惨敗です。やはり、このタイプの手押しポンプは上が空いているので、子どもたちにしてみれば何か物を入れてしまいたくなるのでしょうね。

2011年の点検でも、砂利や小石が詰められたポンプがあちこちで発見されました。

2本目は、同じく野市小学校中庭に設置された手押しポンプ井戸。

田中校長先生を先頭に、目的地へと向かう調査隊。

井戸に隣接する畑にはナスやピーマンが生育中。畑の水やりに最適なローケーションなので、毎日の水やりに利用されているかも?

ご対面。取っ手もあるし、砂利も詰まっていない模様。これは期待できます。

ガーン。組み上げに必要な木玉が…ない。

 

手押しポンプ井戸は、取っ手で木玉などの弁を引っ張り上げることで、地下から水を引き上げる仕組み。弁が配管をしっかり塞ぎ、配管内が真空状態に保たれていないと水は引き上げられません。

おそらくこちらの井戸も使われなくなったことで、木玉が乾燥し劣化、割れるなどしたため取り外されたものと思われます。

2011年の点検でも、この木玉の劣化による故障が一番の原因でした。

 

相愛ではこの事実を元に、今回の改修作業では弁が劣化することが少ないステンレス製の手押しポンプ「ドラゴン」への交換をご提案させて頂く所存です。

これだと上部も密閉されているので、砂利や小石などを詰められる心配もありません。

 

「ここは地域の避難場所になっています。この井戸がでるようになったら、5~6年生が行っている環境委員会活動でも活用していきたいです」。

と語っていただいた田中校長先生のご希望にも添えるよう、相愛も頑張っていきたいと思います。

続いて向かったのが、夜須小学校。中央・藤岡「あれどこだっけな?」。

というのは嘘で、夜須小学校ではグラウンドのフェンスを改修する際に撤去されたという情報が入っていました。

井戸があった地点で談笑する3人。事実確認終了。

在りし日の夜須小学校・手押しポンプ井戸。

災害時に活躍する大切な設備なので、今後もし撤去など必要な事態が発生した際には、事前にご相談いただければ幸いです。

 

最後に芸西村役場に伺いました。

芸西村の発展に多大なる貢献をされた初代~13代村町・岡村正雄さんがお出迎え。

オリに入ってるんですけど…。

 

なんでも、この井戸も登下校途中の子どもたちが悪さして砂利や小石を詰めるので、見かねた職員さんがオリのような囲いでガードしたのだとか。

 

ひよっとして穴に物を詰めるというのは、子どもの情操教育の発達に必要な遊び行動の一種なのでしょうか? しかしながら、社会のモラルというものもありますので、そこをグッと我慢して大人の階段を登って行ってもらいたいものです。

※酔っ払った大人の仕業だったりしたらゴメンネ、子どもたち。

とりあえず外して点検することに。こんな重いオリに入ってたら使われることもなく、木玉もボロボロでしょう。

まず外観チェック。サビはあるものの取っ手もしっかりしてますね~。

木玉も湿っていていい感じ。

膨らむ期待を胸に写真撮影。

呼び水を入れて汲み上げ開始!

藤岡の気合のひと押しで出た!

管がサビているので初めは茶色い水ですが、豊富に汲み上がります。

「出ましたか?」駆け寄ってきた芸西村役場・管理課の岡村さん。

 

岡村さんに話を聞いたろころ、せっかく相愛さんに付けてもらったのだからと定期的にチェックを行い木玉を交換してきたのだとか。ありがたいことです。

何度も汲み上げていくうちにきれいな水が出るようになりました。

再び囲いを設置して終了。

 

本日の成績は1勝2敗1引き分けという感じでしょうか。

最後にきれいな水が潤沢に出てほっと一安心いたしました。

 

こんな感じで、行われた今回のホルゼ50一斉総点検。

約10年前に設置した手押しポンプ井戸50本の現状がつぶさに把握できました。

結果的には、設置場所の都合により撤去されたものが4本、木玉の劣化、取っ手の傷み・紛失、いたずらなどで故障していたものが30本、順調に水が汲み上がったものが16本と分かりました。

 

中には芸西村役場さんのように木玉の交換を定期的に行っていただいたり、南国市さんのように故障の少ないプラスチックの玉(プラ玉)に交換されていたところもありました。本当にありがとうございます。

 

しかしながら鋳物のポンプの場合、どうしてもポンプの空洞部に砂利などの異物が詰められやすいという状況があり、またサビなどもこびりつきやすいのが現状です。

先程も述べましたが、今回相愛では60周年記念としてすべての井戸をステンレス製・密閉タイプ「ドラゴン」のに代えて設置・寄贈させていただこうと検討中です。これならオリに入れる必要もありませんし、丈夫で長持ちです。

「ドラゴン」。ステンレス製で耐用年数の長い最新型の手押しポンプです。

 

近々の発生が予測されている南海トラフ地震に対し、事前にできることにはベストを期したいもの。

今回60週年記念事業として行う手押しポンプ井戸の改修についても皆様に本当に役立つベストなものをご提案させていただきたいと考えています。

みんなで一緒に一致団結、南海トラフ地震を乗り越えましょう!

 

ちなみに相愛、その他の記念事業についても、現在やるきモリモリで鋭意検討中です。

具体化まで今しばらくお待ちくださいね。お楽しみに~。

 

おまけ

「えい井戸見せちゃる」と言われ、取材後連れて行かれたのが南国市立中央公民館のホルゼ井戸。

「あふれるばあ出しちゃろか」との言葉を残し、一心不乱にポンプを上げ下げする弊社・藤岡。

潤沢な水が上から下からジャブジャブ湧き出しました。職人冥利につきますね~。