0221 地域計画課のお仕事紹介 棚田の景観を守る~梼原町神在居(かんざいこ)の千枚田~【前編】
地質調査のイメージが強いわが社ですが、地域課題の解決をお手伝いする「地域コンサルティング」を担う部署があること、みなさんはご存じでしたでしょうか?
地域コンサルティングは、行政や住民の方々が抱える地域の課題や困りごとを分かりやすく「見える化」した上で、さまざまな制約条件をクリアし、折り合いをつけながら適切な解決策を提案していくお仕事です。
相愛の地域計画課では、その過程で顧客(お仕事の依頼者)や関係する方々に寄り添いじっくり対話しながら、いろんな分野の専門家や技術者と協同して課題解決までの道のりを一緒に歩み導く、地域と連携した「伴走型」コンサルティングを持ち味としています。
今回は、日本が直面する社会課題が10年早く進むといわれる「課題先進県」高知の中山間地域で特に問題が顕在化している棚田の保全に関する業務について、地域計画課の新人・片山がご紹介します。
日本の原風景といえば、思い浮かぶひとつに斜面に段々と水田が広がる「棚田」があります。
昨今は、都市部への人口集中、地方の少子高齢化や人口減少などの影響もあり全国の中山間地域で休耕田や耕作放棄地が増え美しい棚田の景観が失われかねない危機的な状況に陥っています。
地域計画課は、NNラントシャフト研究室と協同でこの棚田の景観を守るための事業に昨年度から携わっています。
今回対象とする棚田は、梼原町「神在居(かんざいこ)の千枚田」。
国の文化財(四万十川流域の文化的景観~上流域の山村と棚田~の重要な構成要素 http://www.town.yusuhara.kochi.jp/town/kakuka/kyouiku/entry-527.html)にも選定されている、大切な地域資源です。
昭和60年に作家の司馬遼太郎氏が「街道をゆく」の取材で訪れた際、石を積んで作られた棚田が険しい山の方まで続いている景色を見て「農業が築き上げた日本のピラミッド。
万里の頂上にも匹敵する」と驚嘆したそうです。
そんな千枚田も、農作業を効率化するための狭地直し(ほ場整備)によって姿を変えてきました(昭和47年に約501枚あったほ場は平成3年までに約218枚に)。
それでも近年では、高齢化と後継者不足に悩む方が多く、休耕田(耕作放棄地含む)も目立ってきています。
こうした問題と地域資源としての可能性を受け、地域計画課では千枚田の現状把握からスタート。
保全上の問題点を目で見て確認・整理できるようにするため、相愛の測量・調査課と愛媛支店の協力により千枚田を三次元モデル化する「UAVレーザー測量」を実施しました。
※UAVレーザー測量=ドローンに取り付けたレーザースキャナ装置から地上に向けてレーザー光を発射してその反射光を検知することで地上の形状を計測する手法のこと
当日のUAVレーザー測量の様子などは、続く後編で後日ご紹介します!お楽しみに。