0210 自然環境調査課の仕事紹介 2024年 ~アユの遡上測定編~

2024.05.23

カテゴリー: 活動報告

こんにちは、自然環境調査課の大利です。

自然環境調査課の仕事についていくつかご紹介したいと思います。

様々な課がある相愛ですが、自然環境調査課では主に生物調査を仕事としています。

 

今回の記事では、アユの遡上量を調べた仕事を取り上げます。

 

アユという魚については、皆さん一度は聞いたことがある魚だと思います。

アユは、秋に川の下流域の瀬に産卵し、卵から孵化するとすぐに海に下り、プランクトンなどを食べて大きくなり、春になるとまた川に上がってきて、川で藻類を食べて成長するという生態を持っています(下図参照)。

このとき海から川に上がってくることを遡上といい、“遡上してきたアユの数を数えること”が今回の仕事です。

 

遡上したアユの数を数えることで、その川のアユの生息数の概要を知ることや、設置されている魚道がきちんと機能しているかを評価することができます。

 

魚道や調査地ごとに計測方法等には少し違いがあるのですが、今回は魚道の上から目視でアユが通っているかを確認し、カウンターを使って計測しました。

こちらが計測の様子です。

川の中で白く見えている板のような場所を通ったアユを計測します。

 

アユは川の上から見るとこのように見えます。

他の魚(例えばボラ)などとは大きさや泳ぎ方などが違うため、そこでパッと判断し見分けます。

こちらはボラの稚魚ですが、このように頭が大きく、体が短いことや泳ぎ方の違いで判別できます。

この画像のような時だと1秒に10匹以上が遡上し、ぼーっとしているとあっという間に100匹や200匹が遡上していくため、油断はできません。

 

休憩をはさみながら決まった時間に集中してアユの数を数えます。

一瞬でアユかどうかを判断したり、他の魚に混じったアユを見分けたりすることが必要なため、簡単そうで難しい仕事です。

 

 

アユが遡上する魚道にはそれを狙ってサギ類やカワウ、カンムリカイツブリなどもやってきます。

遡上するアユを上から狙うコサギ(左)とアオサギ(右)

潜水してアユを捉えるカンムリカイツブリ

 

遡上計数の合間にこうしたアユをとりまく様々な生物を観察することで、その地域の生物相の一端を知ることが出来ます。

 

今回のお仕事紹介は以上です。

次回は植物調査について紹介したいと思っています。

質問や仕事の相談、インターンシップ等は随時受け入れておりますのでお気軽にご連絡ください。

※当記事は、発注機関に許可を得て掲載しています。