0001 室戸公園線アンカー調査
5月10日~20日にかけ室戸にて、SAAMジャッキを使ったグラウンドアンカーのリフトオフ試験を行いました。
と書いても業界の方以外は、なんのことだかわからないかと思いますので、説明します。
このボコッと飛び出た部分がグラウンドアンカー!の頭。
ちょっと引くとこんな感じ。 現代アートのような面持ち。
さらに引くとこんな感じ。皆さんもどこかで見たことありませんか?
このコンクリートの塊が山の表土の流出を防いでいるわけですが、そのキモとなるのが、最初の写真のボコッと飛び出た部分。
この中に長~いボルトのようなもの(アンカー鋼材)が刺さってまして、 それがコンクリの下の表土を貫きさらにその下の岩盤に突き刺さって固定されています。
一定の緊張力を保つことで、斜面を支えているのです。
このグラウンドアンカー工法は、1957年に日本に導入されて以来地滑り対策などで全国のあちこちの道路・斜面で活用されてきました。
まさに日本の大動脈を支えてきた頼もしい存在です。
しかしながら、コンクリートで隠れてしまっているため、内部の様子がチェックできず、アンカー鋼材の劣化、たるみがないかなど、定期的な調査が必要です。
今回、相愛が高知県から委託を受け、調査させていただいのは、室戸国定公園・室戸岬のすぐ近く。県道室戸公園線のある一角。
自慢のオリジナル開発機器・SAAM(サーム)ジャッキを携えてやってきました。
何とも風光明媚なロケーション。中央左のコンクリの壁が現場!
SAAMジャッキは、三重大大学院教授の酒井俊典先生と相愛が共同開発した産学共同研究の新技術で、高性能でありつつ、コンパクトで軽いことが大きな特長。
これまでのアンカー調査では、用途が多様なセンターホール型ジャッキが主流でしたが、重く大きいため、
●クレーン等での搬入が必要
●足場の仮設が必要
●通行規制が必要
といった状況が続いていました。
そこで、目的をリフトオフ試験にのみ絞ったSAAMジャッキを開発!
これらの不便さを解消することができたのです。
現在は、酒井教授と相愛含め4社が出資して合同会社アンカーアセットマネジメント研究会を設立。
その他研究会会員の4社をプラスして、全国規模で行われているさまざまな調査に携わっています。
ちょっと長くなってきたので、イメージカットで休憩。お遍路さんが歩いていました。
で、リフトオフ試験とは?
ということになりますが、これは要するにアンカーとして打ち込まれている長いボルトを引っ張って、その緊張力を計る試験。
コンクリキャップをはがした状態のアンカー。
ここにSAAMジャッキを設置して、ボルトの先端をグイグイ引っ張ります。
よいしょっと!
これが!
SAAM(サーム)ジャッキ!
コンパクトで軽量が売りのSAAMジャッキですが、現場作業には安全確保が第一。
今回は路肩が狭く交通量に余裕があったので、片側通行規制をしき、足場の確保に高所作業車も使用。
安全性を最優先して作業を行いました。
リフトオフ試験開始!
結果はデータ解析します。
見守る真剣なまなざし。
高所作業車を使用したとはいえ、これだけの作業スペースで、リフトオフ試験が行えるのもコンパクトで軽量なSAAMジャッキあってこそ。
これからも、高知県内外問わず各地のアンカーの安全を見守るべくSAAMジャッキをフル活用して頑張っていきたいと思います。
現場で相愛のヘルメットをお見かけの際には、ぜひお声掛けください。
スマイルフリーで対応させていただきます!
相愛・アンカーアセットマネジメント事業部。よろしくお願いします!