0053 災害に備えろ! 高知県内ヘリポート調査
高い確率で発生が予測されている南海トラフ大地震。
ここ高知県では地震が最大規模で起きてしまった場合、最大で死者42000名、建物の全壊153000件の被害が予測されています(県発表の数値)。
また道路の寸断による救助の遅れ、孤立集落への救援物資のスムーズな輸送など、様々な対策を事前に講じる必要性が指摘されています。
そこで高知県では、現在把握しているヘリコプター離着陸場の位置を再確認し、現地の状況調査を行い、最新の情報をデータベース化する作業を急ぎ進めています。
今回のお仕事紹介ブログは、高知県より委託されているヘリコプター離着陸場適地調査について、社員一丸となって行った現場研修の模様をレポートさせていただきます。
膨大な数の現地を調査するため、複数の部署から優秀な社員が選抜されました。
総合計数約500カ所。いつ起きるかわからない大地震に備え、調査が急がれます。
約500カ所の元データは、高知県、消防、県警、ドクターヘリ、自衛隊などから収集。
すべての現場を周り、広さや障害物の状態など最新の状況を調査し、台帳に整理していきます。さらに、県内のヘリコプター離着陸適地一覧表の制作を行います。
座学の後、まず向かったのが、毎年恒例相愛社員ソフトボール大会でおなじみの土佐山運動公園。
建設事業部技術一課・近藤課長から説明を受ける面々。
元データと見比べ、あたりの状況をつぶさに確認していきます。
まず行うべきは、離着陸スペースの確認。予定地の中で正方形、または長方形でなるべく広く面積が取れるスペースを計測していきます。
スペースを計測した後、中心地点の緯度、経度、標高を計測。
地面の状態は舗装なし、砂質土でした。
続いて障害物の種類、高さの確認。スタッフや携帯型レーザー距離測定器により計測します。
北、東、南、西の順に障害物の状況を写真撮影します。
方位磁針の指し示す方角があっているか、チーフ近藤のチェックが入ります。
最後に、近くの山の高圧送電線の有りなしなどを確認します。
この土佐山運動公園は山の頂上付近にあり、障害物も少なく、敷地も広くヘリポートとして問題なく活用できることが確認できました。
続いてやってきたのが、土佐山夢産地パーク交流館第一駐車場。
ただの駐車場かと思いきや緊急時のヘリポートに指定されているんですね。
先ほどやった手順をもう一度確認する面々。実際の作業は1人で回る事になるので、念には念を入れたレクチャーを行います。
ここも山頂付近にあるため、十分なスペースが確保できることが確認できました。
3ヵ所目は、旧土佐山中学校。2014年の8月の豪雨では眼下の鏡川が氾濫し、1m近く浸水したポイントです。電線も多く張り巡らされ、手ごわい調査となりそうです。
頭上を電線が行きかいます。
土砂が積み上げられているスペースもあります。
実践的な調査を行うことになった建設事業部技術一課の坂本と濱口。
苦戦を強いられます。
「ヘリコプターにとって脅威となる障害物とは」、一同で念入りな確認が続きます。
場所を変えてケンケンガクガク。
つぶさに現地で確認した状況をシートに落とし込んで終了。
細かな点まで漏らさず報告を上げていきます。
1~2ヵ所目がスムーズだったのに比べ、障害物の多かった3ヵ所目。
予想以上に時間がかかり、日が傾いてきてしまいました。
最後の現場に急ぎましょう。
最後の現地研修は、相愛本社の近くにある久重小学校。
こじんまりとした木造のきれいな校舎です。弊社相愛もですけど、やはり山間部には木造が合いますね~。
放課後のちびっ子たちも元気いっぱい!「何しゆうが~」と激しく寄ってきます。
巨大なバックネットを計測。
なるべく広く画角を取るため朝礼台にのぼり撮影を行う技術一課・濱口。
チーフ近藤から念押しの確認が入ります。
「ここはこのように書いたほうが分かりやすい」「高圧送電線はこの位置で確かか」最後の現地調査なので、一同自分と他人の判断を比較し、より正確な計測値を割り出していきます。
山里にぽっかり佇む久重小学校。ここもヘリポート適地でした。
いざという時は、人命救助、物資輸送拠点としての活用、宜しくお願い致します。
いかがでしたでしょうか、相愛・ヘリコプター離着陸場適地調査業務。
高い確率で発生が予測されている南海トラフ大地震に備え弊社・相愛では部署をまたがり、一刻も早い調査終了を目指し現在調査を進めております。
県民の皆様におかれましては、今一度、緊急時の避難体制や避難場所、災害用ヘリポートの位置確認などを行って頂ければと思います。
みんなで一丸となって、被害を最小限に災害を乗り越えましょう。