0177 国立室戸青少年自然の家でアリ科の生息状況を調査しました
以前、弊社社員(近藤・辻󠄀)で自主的な研究活動として高知県内のアリ科の生息状況を調査していることを「0155 高知県立のいち動物公園におけるアリ科の生息状況調査」でご紹介しました。
本調査の一環で、2022年は高知県東部の国立室戸青少年自然の家で実施させていただきました。今回のブログでは、調査の概要を簡単に紹介させていただきます。
【相愛による調査】2022年8月・10月に実施
調査場所については、国立室戸青少年自然の家の職員の方と打ち合わせを行い、様々なタイプの環境を網羅的に調査できるよう敷地内を20地点の調査区に分けました。自然環境を活用したプログラムを多く用意されているだけあって、さすがの自然度の高さで、アリ以外にも色々な興味深い昆虫類が採集され、とても有意義な調査となりました。
採集の方法については高知県立のいち動物公園での調査と同じく、見つけ採りと篩採集を採用しました(上述のブログ記事を参照ください)。
調査地点
調査状況
【「アリの仲間を調べよう」による調査】2022年9月に実施
国立室戸青少年自然の家で表題イベントの講師を担当させていただく機会があり、その際のデータも、本調査で活用させていただきました。参加いただいた方は16名。天候には恵まれませんでしたが(2地点目の移動時に雨が降り始めました…)、参加者の方々に熱心に採集いただいたおかげで、当地のアリ類の分布に関する新知見が多く追加されました。
また、当イベントは1泊2日の工程で行われたのですが、宿泊していたロッジで夜行性のミカドオオアリを得ることができたのも大きな成果でした。樹林には普通に生息する種ですが、昼間の調査ではなかなか出会えません。
※このイベントは高知県野生生物分布調査事業(高知県自然共生課)により開催されました。
イベントでの採集(見つけ採り)の様子
【結果】
以上の調査により、42種のアリが確認されました。自然度が高い環境であったためか、外来種と思われるアリは3種のみと、これまでの調査地と比較して最も少ない種数でした。また、高知県レッドデータブックに掲載されている重要種が1種、確認されました。
本調査の成果については、2023年に発行される四国自然史科学研究(発行:NPO法人 四国自然史科学研究センター)へ掲載される予定ですので、詳細についてはこちらをご覧ください。
【謝辞】
本調査は、調査地である国立室戸青少年自然の家さまに多大なご協力やご配慮をいただき、実施することができました。深く感謝を申し上げます。また、イベントを実施する機会を設けていただいたNPO法人 四国自然史科学研究センターさま、採集データを提供いただいた参加者の皆さまにも厚くお礼を申し上げます。有難うございました。
【おわりに】
弊社では業務としての昆虫調査も随時承っております。敷地内に生息する昆虫が知りたい、昆虫調査業務の委託先を探している等の昆虫調査に関するご要望がございましたら、下記のアドレス宛へお気軽にご相談ください。
昆虫担当:辻󠄀) y.tuji☆soai-net.co.jp(☆を@へ変換して送信ください)