0109 自然環境調査課のインターンシップ体験レポート
相愛ではマスクの着用やイベントでの健康チェック等の感染症対策を徹底しながら、インターンシップの受け入れを随時行っています。今回は自然環境調査課の業務体験を希望する高知大学の大学院生を受け入れました。
インターンを体験した学生さんに記事を作成していただいたので、ご紹介させていただきます。
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【インタ-ンに参加した学生からの感想】
相愛のインターンシップに2週間参加させていただきました。
相愛の自然環境調査課では、生物調査や水文調査のほかに、子どもたちを対象にした自然学習も行っています。
今回のインターンでは生物調査や自然学習、梶ヶ森トレッキングガイド養成講座の運営を経験しました。
生物調査の体験として、まずは”しあわせみかん山”に行きました。
このみかん山では、元々の農家が引退し後継者がいなくなった場所を、無農薬栽培で自然や地域と共生する新たなみかん山として再生する取り組みが行われています。
その基礎資料としてどのような動物が生息しているのかを相愛が調査しているそうです。ここでは、哺乳類を撮影するための自動撮影カメラの電池とメモリーの交換や撮影された映像の確認を行いました。映像にはニホンジカやタヌキ、ハクビシンなどが映っていました。
イノシシが増え、被害が多くなっているという話を伺いました。自動撮影カメラの映像からもイノシシが頻繁に農地へ来るようになっていることが確かめられました。イノシシとシカの撮影頻度は回を追うごとに高くなっていて、今後何らかの対策が求められているそうです。
次に相愛が依頼を受けている、ため池の改修工事に伴う事前の生物調査のための現地踏査を行いました。
工事の前にはその場所に貴重な生物が生息していないかなど工事を行った際の生物や環境への影響を調査する必要があります。
調査地の下見では調査地の周辺を歩いて、どのようなルートや方法で調査を行うか検討しました。下見の結果、調査地には水生植物があり、それを採集するためにアンカー(水生植物を岸やボートからひっかけて採集する道具)が必要ということがわかりました。下見から戻ってきてロープや針金などの必要な物を買い揃え、水生植物採集用のアンカーを作りました。調査の際にうまく水生植物が採れることを祈ります。
子どもたちを対象にした自然学習として、
「梶ヶ森エコトレッキング&星空観察会」と、「わくわく里山探検in久重」の二種類のイベント運営を経験しました。
「梶ヶ森エコトレッキング&星空観察会」では小学校高学年と中学生を対象に大豊町の梶ヶ森でトレッキングと星空観察を行いました。
トレッキングでは少雨の中、子供たちが怪我をしないように注意しました。雨で岩が濡れると滑りやすくなり、とても危険になるので、危険な場所では大人が手をつないで、子どもたちが安全に渡れるようにしました。
星空観察会は過去2回とも雨で星空を見られなかったそうですが、今回初めて見ることができました。梶ヶ森で見る星空はとても綺麗で子供たちに見せることができて本当に良かったです。
「わくわく里山探検in久重」では里山探検と地域を流れる小川での魚釣りをしました。
里山探検では様々な動植物を見たり、触れたりしながら里山を歩きました。
里山の植物にはフユイチゴの果実やヤマノイモのむかごのような食べられるものもありました。
中にはヌルデやハゼノキのようなかぶれる植物もありました。
そのような植物に子どもたちが触れないように気を付ける必要があり、引率はなかなか大変でした。
また歩く速さが子供によって違うので、進む速さをどれくらいにするのかが難しいところだと思いました。
魚釣りは釣竿を交代しながら使い、釣れた魚の大きさを競いました(魚釣りの写真)。魚を釣るにはコツがいりますが、参加した子供たちは全員魚を釣ることができました。相愛では釣りのイベントは初めて開催とのことで、事前に様々なトラブルを予測して準備していましたが、針に引っかかったり、仕掛けがなくなったりするようなトラブルが起きずに終わって良かったです。
梶ヶ森エコツアーガイド養成講座は、相愛が大豊町から委託を受けて行っている業務で、梶ヶ森でエコツアーガイドができる人材を育成するための講座です。その一環としてプロガイドの講師を呼んでガイドに必要な知識を付けてもらうための回に参加しました。
講師の方は、ガイドで注意すべき点や話し方、梶ヶ森がある豊永の歴史や文化などを受講者に説明していました。ガイドに必要なのは、来てくれたお客さんが満足して、また来たいと思ってもらえることだと分かりました。そのためには、様々なお客さんのニーズに合ったガイドをする必要があります。例えば、森にいる生物の名前だけでなく、その生物が自然の中でどのような役割を持っているのか?といった生物同士のつながりや、その地域の歴史・逸話などを交えた話が出来るとお客さんが興味を持ってくれると聞きました。相手に興味を持ってもらえるように話すということは、普段の生活の中で人に話をするときにも必要なことだと思いました。
また、ガイドには自然活動の中にある危険をできるだけ回避し、お客さんが安全に楽しむことができるように案内する責任があります。今回のガイド養成講座では、梶ヶ森のような山ではどのようなところに危険が潜んでいるのかという話も聞け、山で気を付けることを理解することができました。研究で野外活動を行う機会が多く、その際に参考になる内容でした。
梶ヶ森の自然を利用、管理するためにガイド養成講座を開催することは地域の観光産業の活性化につながると思うので、いい取り組みだと思いました。
約2週間のインターンシップは本当にあっという間でしたが、様々な経験をすることができました。
今回の経験を活かせるように頑張りたいです。
インターンシップの受け入れをしていただき本当にありがとうございました。
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インターン生による記事は以上になります。
相愛では会社全体としても、事業部各課のみのでも、インタ-ンの受け入れを行っています。
自然環境調査課は設立して今年(令和2年度)で3年目の新しい部署ですが、これまでに4名(全て大学生)のインタ-ンシップを受け入れています。当課のインタ-ンを希望する方は、大学で生物の調査や研究を専門に行っている学生が多く、就職後もフィールドワークや環境教育に携わる仕事を目指しているという人がほとんどです。年平均で1件以上のインタ-ン希望者がいるという現在の状況を鑑みると、この分野への社会的関心の高まりを実感させられると同時に、受け皿としての責任の重さを改めて認識させられます。
当課では、こうした希望を持つインタ-ン生に、フィ-ルドの最前線で私達プロのスタッフと共に実際に生物調査を体験して頂くと共に、私たちが主催・運営する環境学習会や自然体験イベントにスタッフとして参加し頂いています。こうした経験を通して、実際の生物調査や環境学習の難しさ、楽しさを知るだけでなく、外部の専門研究者や地域の方々、様々な関係者との交流を持つことが出来ます。こうした経験と出会いが、インタ-ン生にとって、自分の将来の進路や目標を見定めるためのヒントになれば幸いです。