0004 岩石の中の様子を探れ!

2013.06.18

カテゴリー: 活動報告
タグ: 地質調査

とある森の中、いかついヘルメット姿が何人も箱の中を見ながら喧々諤々やっています。

食い入るように見つめるその先にあったのはコレ。なんだかわかります?

これは相愛が設立当初から行っている地質調査業のキモをなすアイテム。

ボーリング調査によって掘って抜き取った地質のサンプル。

コアサンプルといいます。

 

今回はこんな現場に行ってきました。

すくみます、足が。左の青いテントが本日の調査現場。

 

この現場、昨年斜面の崩落事故がおき、道が土砂に埋まりました。

さらなる崩落を防ぐために、このようにコンクリートで覆って(法面工事という)危険性は回避できたのですが、その法面(のりめん)の工事中に隣接する岩石にひび割れが発見され、追加調査が必要となっているのです。

横から見るとこんな感じ、岩にへばりついての作業が続きます。

 

これまでの調査で、問題の岩の上から垂直に20m、横から水平に20mボーリングを行い、地質のサンプルを取りました。

冒頭でご紹介したコアサンブルがそれです。そのサンプルから

判明したのが、岩石の中にいくつかの空洞部分があるということ。

 

今回はこの空洞部分・亀裂がどちらからどちらの方角に走っているのか、その大きさや形状を把握(というか推察)するため、岩石の中を可視化して調査することになったのです。

現場に至る道・足場。安定感があり、しっかり備え付けてあります。安全第一!

 

さて本日の主役の登場です。岩石や地質を可視化、つまり目に見える状態で調査するために必要なアイテムがコレ。

ボアホールスキャナー! 筒状の側面にカメラがついており360度撮影できます。

これをボーリングで掘った穴にグイグイと差し入れ、内部の様子を見ます。

中央のおへそみたいなのが、ボーリングであけた穴。水平に20m掘っています。

ボアホールスキャナーを挿入!

ちょっとずつちょっとずつ差し込んでいきます。

岩に貼ったコアサンプルの写真とモニターの画像を比較し、

状態を詳しく把握していきます。

映し出された映像はこんな感じ。岩の内部の質感までわかります。

さらに360度展開した画像はこんな塩梅。

岩石の内部の破損具合がが手に取るようにわかります。

 

これらデータ保管した映像をもとに、社内においてさらに精密な分析が行われます。

百聞は一見にしかずで、岩石の中が鮮明に映るボアホールスキャナー。

これからも地質調査や災害復旧の現場などで活躍の場が広がりそうですね。

 

相愛でもこれら新しいテクノロジーと、これまで培ってきた地質調査の経験・データを合わせて、精度の高い地質解析を行っていきたいと思います。