0216 自然環境調査課の仕事紹介 2024年 ~植物相調査編~
こんにちは、自然環境調査課の大利です。
自然環境調査課では主に生物調査を仕事としていますが、生物調査も多岐にわたります。
前回の記事では、アユの遡上量調査についてご紹介いたしました。
前回の記事については、こちらをクリック↓↓
(0210 自然環境調査課の仕事紹介 2024年 ~アユの遡上測定編~ )
今回の記事では植物調査についてお話します。
植物調査といっても、植物相調査、植生調査、毎木調査など目的に応じて様々な調査方法があります。
※なお、相愛の植物調査は高等植物(種子植物及びシダ植物)を対象としています。
今回はその中でも植物相調査について紹介します。
ざっくり言うと植物相(フローラFlora)とは、ある場所に生育している植物種全てのことをさします。
例えば、相愛の敷地内にどのような植物が生育しているかを調査すれば相愛の植物相が明らかになります。
何が生育しているかわからない相愛 イメージ
昨年、NHKで放送された朝ドラ「らんまん」の中で、植物学者牧野富太郎をモデルにした主人公槙野万太郎(演:神木隆之介)の「高知県のフロ-ラを完成させる」というようなセリフをよく耳にした方も多いと思いますが、これは「高知県の植物相を明らかにする」つまり、高知県に生育している植物種をもれなく明らかにするという意味になります。
植物相調査では、調査範囲内の植物を把握するために調査範囲を踏査し、植物種のリストを作ることが一般的です。以下の画像のように様々な植物が生育している調査範囲の中で何が生育しているかを見分け、記録していきます。
植物相調査 イメージ(相愛敷地内法面)
野帳 イメージ
調査によっては花や実の有無、重要種の位置や生育状況の記録なども行います。
このように植物相調査を行うことで、その場所にどのような植物が生育しているのかを知ることができ、その場所の管理や活用に活かすことができます。
生育している植物が明らかになった相愛 イメージ
前置きが長くなりましたが、今回のお仕事紹介です。
今回は工事が検討されている調査地内に生育する重要種や希少種を記録するという仕事です。
その際に全体の把握を行うため植物相調査も行っています。
植物相調査の様子
工事が予定されている場所の生物を調査することで、どのような影響が予想されるのか、影響を最小限にするためにはどのような配慮が必要かなどを話し合うことができます。
植物は生態系の一次生産者であり、太陽光をエネルギーとして水と二酸化炭素から糖を生産し、その副産物として酸素を生み出しているわけですが、それだけではなく、昆虫や動物のエサやすみかとして利用され、生活基盤となります。様々な植物が生育していればそれを利用する動物も多く生息することが出来ます。つまり、多様な植物種が生育する環境を守っていくことが生物多様性の基盤を支えること、貴重な生物を保護することに繋がるのです。
さて、植物調査ですのでどんな植物が出現したのか気になるかと思いますが、残念ながら出現種の情報は守秘義務の対象ですのでお見せすることはできません。すみません…。
※本記事も発注者様に確認をとって掲載させていただいております。
相愛の植物相や横倉山生物調査の植物調査など、既に公開されているものについてはお問い合わせいただければお話できますのでお気軽にお尋ねください。
なお、相愛の植物については以下のサイトでも一部写真を見ることができますので興味がありましたらご覧ください。
相愛の周りの環境
高知の親子自然体験学習 (株)相愛 – 会場 (google.com)
今回のお仕事紹介は以上です。
自然環境調査課は高知県内の様々な場所で生物調査を行っています。
その一部を活動紹介として掲載しておりますので、過去の生物調査については以下のページをご確認ください。
- 昆虫調査
0155 高知県立のいち動物公園におけるアリ科の生息状況調査 | 株式会社 相愛(soai-net.co.jp)
0177 国立室戸青少年自然の家でアリ科の生息状況を調査しました | 株式会社 相愛 (soai-net.co.jp)
- 山荘梶ヶ森での生物調査(植物・動物(両生類、哺乳類等))
0080 梶ヶ森で自然環境調査 | 株式会社 相愛株式会社 相愛 (soai-net.co.jp)
- 自社敷地周辺での生物調査
0071 相愛の自然環境調査 | 株式会社 相愛株式会社 相愛 (soai-net.co.jp)
質問や仕事の相談、インターンシップ等は随時受け入れておりますのでお気軽にご連絡ください。